マイクロバイオーム製剤(LBPs)

MICROBIOME

老化の対策になると
期待される最新の医療分野。

マイクロバイオームは、体質や神経、脳形成、自己免疫に連携しており、
治療を行うことでこれまで難しかった感染症や自己免疫疾患、神経症、発達障害、
生活習慣病、老化の対策になると期待される最新の医療分野です。
アジェンズでは、LBPs(マイクロバイオーム製剤)の開発を通じて、特に難病・希少病となる自己免疫疾患や老化の対策を進めています。

INTRODUCTION

マイクロバイオーム LBPsについて

現在、米NIH(保健省)のHMP(NIH Human Microbiome Project)がリーダーとなり、国家プロジェクトとして進行している次世代医療の一角がマイクロバイオーム分野です。既にCDI(クロストリジウムディフィシル症)偽膜性腸炎などで承認医療となっており、日本においても先進医療Bの区分で実施されています。ヒトは約60兆個の細胞(体細胞・血球細胞)の単細胞の集合体ですが、そこに最近加えられたのが共生する100兆個の微生物群です。合わせて160兆個の細胞でヒトという生き物は構成され、体や体質、健康の維持を行っています。

近年判明した微生物の役割

細胞内に共生しているミトコンドリアを除いて、微生物は基本的に体外に共生しています。口腔~大腸までの消化管、鼻~気管支~肺までの呼吸器、膣内、皮膚などあらゆる箇所に共生しており、特に種類と数が多いのが大腸内です。人類全体から見つかっている腸内菌の種類は、約3000種類。その中からおおよそ300種類を選択して共生し、ひとそれぞれの個性となっています。
これまで、単に寄生しているか、一時的に接触しているだけと思われていた微生物達は、実は生きてゆくための必須の役割を持って共生していることが近年わかりました。実際に無菌室で育つ場合、発育不良となり長く生きることが出来ません。

最新の医療分野

2023年9月現在現在、NIHでの治験登録数は550を超え、前臨床、フェーズ1~3、承認後フェーズ4まで、幅広い分野の疾病に対しての承認医療や新薬(LBPs)開発が進められています。特に多い分野では、偽膜性腸炎、潰瘍性大腸炎、結腸通過遅延型便秘症を代表とする慢性便秘症等消化器疾病、また、免疫・神経との相関が強く、ASD(自閉スペクトラム症)などの発達障害、2型糖尿病など生活習慣病の新たな治療方法として治験が進行しています。また、国際課題になっている薬剤耐性(AMR)問題は、腸内菌の一部が抗生剤の耐性を獲得することで、治療困難状態となり重症化・死亡する重要課題で現状でも年間100万人が、2050年には1000万人が世界で死亡すると予測されています。

当社においても、スクリーニングを通じて、特に「AMR(薬剤耐性)」「発達障害」「自己免疫疾患」「肝疾患」に注目し、特にオーファン(難病希少病)を中心にLBPsや術式、薬剤耐性菌のゲノム配列や簡易的同定方法などの研究を大学研究機関や臨床医療と進めています。

POINT

3つの特徴

マイクロバイオーム LBPsには様々な特徴があります。

01多岐に渡る役割

ヒトマイクロバイオームが持つ役割は多岐に渡ります。特に影響が大きな役割は以下の5つです。

02腸内菌叢を介した「体質」「疾患」「症状」の相関について

次に、腸内菌叢を介した「体質」「疾患」「症状」の相関は、主に「菌叢多様性」 「菌代謝物」「免疫」「感染」の4つが原因となり以下のような関係となります。

03予防から難病治療まで非常に広範囲の応用性

これらの関係性から、現在マイクロバイオーム領域では様々な承認医療への治験が実施されています。
便の他家移植法から始まったマイクロバイオームは、現在、遺伝子制御を含めて様々なLBPs( Live Biotherapeutic Products)としての新薬開発に移行しています。予防から難病治療まで非常に広範囲の応用性が拡大しています。
以下は、2023年9月時点でのNIH治験登録状況です。

フェーズ 目的 登録数 補足
Early Phase 1 非臨床 26 -
Phase 1 薬理 121 健康者対象
Phase 2 安全・有効 193 CDI、UC、IBD、神経症、ASD、炎症、感染症、薬剤耐性、肝疾患、肥満、便秘症、GVHD、HIV、クローン病、嚢炎(毛嚢炎)、がん、糖尿病、パーキンソンなど
Phase 3 大規模検証 58 CDI、UC、神経症、炎症、感染症、薬剤耐性、肝疾患、アトピー、白血病など
Phase 4 承認後臨床試験 8 CDI、UCなど
Not applicable - 189 上記以外
合計 - 563件 -

RESEARCH

産官学連携による研究内容

アジェンズでは創業以来、FMT(菌叢移植・再構築)法や、検査法の研究開発を行っています。

RESEARCH01

マイクロバイオーム LBPs

アジェンズが取り組んでいるマイクロバイオーム LBPsの研究内容です。

研究分野 研究番号 種別 フェーズ ターゲット
LBSs(マイクロバイオーム製剤)
  • Microbiocine
  • ・MT(2)
  • ・MTB(1)
  • ・CL(2)
  • ・CLB(1)
  • ・MA(1)
  • Lactomicine
  • ・L(3)
  • ・FMT生菌
  • ・FMT生菌
  • ・Oral生菌
  • ・Oral生菌
  • ・FMT生菌
  • ・プレバイオティクス
  • 臨床
  • スクリーニング
  • 肥満体質、慢性便秘、アンモニア血症、CKD、NASH、 老化関連疾患
    自己免疫疾患(水泡症・天疱瘡)、自閉スペクトラム
  • AMR(薬剤耐性)、老化関連疾患
検査・診断法
  • CRADAR-i
  • ・CPE
  • ・ESBL
  • ・CAM
  • IVD-POCT-i
    (体外診断用医薬品)
前臨床
  • AMR(薬剤耐性)カルバペネム系
  • AMR(薬剤耐性)βラクタマーゼ系
  • AMR(薬剤耐性)クラリスロマイシン系

RESULTS

研究実績について

アジェンズが取り組んでいるマイクロバイオーム LBPsの研究実績をご紹介いたします。

RESULTS01

AMED

現在、AMEDに採択されいくつかの特許を申請済みです。

PLAN

中長期の事業プランについて

今後のマイクロバイオーム LBPsの中長期の事業プランについてご紹介いたします。迅速かつ重点的に取り組んで参ります。

PLAN01

体外診断用医薬品の販売承認

5年以内の体外診断用医薬品の販売承認と各国でのパイプラインを進行しています。

PLAN02

単離菌の食品転用

中間成果物として、いくつかの単離菌の食品転用を進めています。