IVD CRADAR-i(核酸迅速診断法)
IVD CRADAR-i
核酸迅速診断法
あらゆる環境での素早い
検査診断を可能にする技術。
現在感染症の確定診断に使われる最も精度が高い方法は、PCRを代表とする
核酸(DNA/RNA)を読み取る検査方法ですが、それには高額な装置と施設、操作技術者が必用です。そのため、医療インフラが整っていない地域・国・船上や宇宙基地など閉鎖環境では高精度の検査が出来ません。
私たちは、帝京大学鈴木幸一研究室をリーダーに、慶応大学、AIST(国立産業技術総合研究所)との産官学による研究を基に、新たな解決法の開発を行っています。
INTRODUCTION
CRADAR-i(クレーダーアイ)について
CRADAR-i法は、使い捨ての小さなデバイスですが、直接核酸(DNA/RNA)の読み取りを迅速に行う技術です。感染症原因となる菌やウイルス、原虫そして薬剤耐性の獲得の有無などを行うことで、あらゆる環境での素早い検査診断を可能とします。特に医療インフラが整っていない国を中心とするWHOの重要テーマNTDs(Neglected Tropical Diseases: 顧みられない熱帯病)の一つ、ハンセン病やブルーリ潰瘍、そして2050年までに年間1000万人の死亡数が予測されている重大な脅威AMR(薬剤耐性)に取り組んでいます。
POINT
2つの特徴
CRADAR-iには様々な特徴があります。
01選べる3つの検査タイプ
CRADAR-i(クレーダーアイ)は、核酸(DNA/RNA)の解析を行う使い捨ての迅速診断キットの技術です。3つの製品パターンの開発を行っています。遺伝子を読み取りますので、基本的に遺伝子を持つ全てのものが解析可能範囲になります。
- シングル検査タイプ
単一の病原性菌・ウイルスの感染確認を行います。 - マルチ検査タイプ
同時に複数の病原性菌・ウイルスの感染確認を行います。 - モバイル検査タイプ
スマートホンと接続し、電気的に遺伝子の読み取りを行います。
シングル・マルチ共に可能です。
02だれでもどこでもウイルス検査
現在、高精度に遺伝子情報を読み取る臨床検査方法はPCRが中心ですが、高額な装置・施設・周辺機器・操作技術と個々の消耗検査試薬が必用となり、病院や外部委託検査が主となっています。CRADAR-i方式では、特別な操作技術やインフラを必要とせずに、どこでも高精度検査を可能とします。標本の核酸があれば数か月の短期間で検出対応のカスタムが可能となるため、新たなパンデミック発生時でも迅速な対応を提供可能です。
- クリニック検査、屋外検査、船舶などの閉鎖的環境、空港検疫
- 医療インフラが整っていない国・地域
RESEARCH
研究内容
産官学連携による研究内容
私たちは、帝京大学鈴木幸一研究室をリーダーに、慶応大学、AIST(国立産業技術総合研究所)との産官学による研究を基に、新たな解決法の開発を行っています。
RESEARCH01
NTDs(エヌティーディーズ)
「顧みられない熱帯病(Neglected Tropical Diseases 以下NTDs )」 とは、WHO(世界保健機関)が「人類の中で制圧しなければならない熱帯病」と定義している18の疾患のことを指します。代表的な疾患に、ブルーリ潰瘍、ハンセン病、リンパ系フィラリア症、シャーガス病、デング熱、HIV/エイズなどがあります。
世界149の国と地域で蔓延し、感染者数は約10億人にものぼり、深刻な社会問題になっています。さらに、このうち100の国と地域では2種類のNTDsが蔓延し、30の国と地域では、6種類以上ものNTDsが蔓延していると言われています。
NTDsは主に貧困による劣悪な衛生環境などが主な原因となって蔓延していきますが、そのことがまた労働力や生産性の低下を招き、貧困から脱出できない原因にもなっています。これらの疾患にかかると、重度の身体障害が残る場合もあり、経済活動や社会生活を送る上での大きなバリアとなるためです。また最悪の場合は死に至ることもあります。開発途上国や新興国では、NTDsの蔓延が経済成長の妨げともなっており、国が抱える重大な課題の一つともいえます。
CRADAR-iでは、NTDsの内「ハンセン病」「ブルーリ潰瘍」にターゲットを絞り、初期感染のスクリーニング方法を提供することで感染症の克服への貢献を目的に研究開発が進められています。
RESEARCH02
AMR(薬剤耐性)
AMR(薬剤耐性)問題とは、抗生剤などの過剰・長期使用により、菌・ウイルス・寄生虫において薬剤への耐性適応が発生し、抗生剤・抗菌剤の投与での治療が困難になる問題です。また、特定の腸内常在菌においては、薬の作用を弱める物質を作る変異を引き起こすものもあり、薬剤耐性菌に感染(保有)している状態では無症状であるものの、一旦、感染症にかかり治療薬を投与すると治療が困難な状態として発現する問題となっています。AMR感染は拡大を続けており、2050年までには年間1000万人がAMRにより死亡する状態になると予測されています。
CRADAR-iでは、まず抗生剤の内、カルバペネム、クラリスロマイシン、βーラクタマーゼ系への耐性獲得微生物の検出をターゲットにし、AMR克服への貢献を目的に研究開発が進められています。
RESEARCH03
C型肝炎
肝硬変・慢性肝炎の主要原因はB型肝炎・C型肝炎の感染型、非アルコール性の脂肪蓄積型のNASH・NAFLDがあります。このうち、C型肝炎キャリア数は世界1億7000万人、日本国内でも150万人いると言われ患者数が多い課題疾患です。感染から発症までに時間が空くこともあり潜伏期間は2週間~半年、発症進行は10年~20年です。
CRADAR-iでは、C型肝炎ウイルス(HCV)のスクリーニング検査を通じて、肝炎の適正治療の診断に役立つ技術として研究開発が進められています。
RESULTS
研究実績
研究実績について
既にいくつかの微生物の遺伝子解析を終え、高精度の検出が可能であることを確認しています。これらの研究はAMED(国立研究開発法人 日本医療研究開発機構)、GHIT(公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金)などの公的機関、国際機関や、ハンセン病対策では国際的リーダーの笹川保健財団の採択を受け、開発が進行しています。
RESULTS01
CRADAR-i(クレーダーアイ)
Kit name | Classification | Inspection target | Microbe type | Specimen |
CRADAR-i BU (*Buruli ulcer) |
NTDs/Bacterial | Mycobacterium ulcerans | Bacteria / DNA | Ulcer |
CRADAR-i Leprosy | NTDs/Bacterial | Mycobacterium leprae / +resistant | Bacteria / DNA | Interstitial fluid |
CRADAR-iAMR CPE | AMR/Bacterial | Carbapenemase-producing Enterobacteriaceae |
Bacteria / DNA | feces |
CRADAR-iAMR ESBL | AMR/Bacterial | Klebsiella pneumoniae, Escherichia coli | Bacteria / DNA | Sputum, feces |
CRADAR-iAMR CPE | AMR/Bacterial | Carbapenemase-producing Enterobacteriaceae |
Bacteria / DNA | feces |
PLAN
事業プラン
中長期の事業プランについて
今後のIVD CRADAR-iの中長期の事業プランについてご紹介いたします。迅速かつ重点的に取り組んで参ります。
PLAN01
2027~2029年の目標
現在、研究成果は3年以内(2027年)を目標に検査用試薬の実用化を、5年以内(2029年)を目標に、日本、アジア、北米での承認医療用体外診断用医薬品としての販売開始を目標にプロジェクトを進めています。
OTHERS
その他の主要研究
その他の主要研究について
アジェンズが産官学連携で取り組んでいるその他の主要研究ついてご紹介いたします。
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