間葉系幹細胞エクソソーム(自動培養システム・mRNA核酸製剤)

EXOSOME

傷や老化した組織の回復治療を
行う次世代医療分野。

一度損傷や老化をしてしまった組織の回復はとても困難ですが、
その治療や予防を行う次世代医療分野が再生医療です。
アジェンズでは遺伝子の傷が最も少ない胎児期の細胞を由来とする間葉系幹細胞が作り出すmRNAに着目し、RNA内包型の情報伝達カプセルであるエクソソームの研究を行っています。

INTRODUCTION

間葉系幹細胞エクソソームについて

間葉系幹細胞(以下MSC:Mesenchymal Stem Cell)は、未分化の細胞の一つで、体組成(骨・筋肉・脂肪)や血管、臓器などに分化する前の准万能細胞の一つです。胎児期~成人までの体内の各部位に存在し、損傷個所があるとそこに移動して組織修復を行ったり、体の成長、状態維持、恒常性の維持に役立っている幹細胞(Stem cell)の一つです。

アジェンズでは、創業から、国立名古屋大学医学部(泌尿器科)、国立インドネシア大学再生医療センターとの共同プロジェクトを経て、MSCの安定的自動大量培養法や細胞の代謝物の研究開発を行っています。MSCは由来する組織により特性が異なります。アジェンズでは特に最も成長力が高く、遺伝子損傷の少ない胎児期の細胞由来のMSCに取り組んでいます。MSCは損傷又は劣化した組織の修復・回復能力が高いことは確認されてきましたが、その修復に使われる分泌物質(パラクライン)の内、特にmRNA(メッセンジャーRNA)の作用が重要であることが解明されつつあります。弊社では特にこのmRNAを使用した創薬に注力しています。

以下は、2024年3月時点でのNIH治験登録状況です。

フェーズ 目的 登録数 内容
Phase I 薬理 28 脳血管障害、老化防止(肌若返り)、薬剤耐性(肺感染症)、乾癬、肛門周囲瘻、肛門周囲瘻(クローン病)、急性虚血性脳卒中、ドライアイ、新型コロナウイルス肺炎、吸入安全性、卵巣機能不全、ARDS(急性呼吸窮迫症候群)、慢性腰痛・椎間板変性、心筋梗塞・心筋虚血、異栄養性表皮水疱症(難病)、骨形成促進、アルツハイマー、慢性潰瘍、急性骨髄性白血病、脳悪性神経膠腫、膵臓癌
Phase II 安全・有効 25 脳血管障害、変性半月板損傷、老化防止(肌若返り)、肝硬変、網膜色素変性症、ドライアイ、1型糖尿病、肛門周囲瘻、SARS-CoV2感染症(過剰炎症)、ARDS(急性呼吸窮迫症候群)、心筋梗塞・心筋虚血、異栄養性表皮水疱症、骨形成促進、肺癌、急性骨髄性白血病、膵臓癌
Phase III 大規模検証 4 網膜色素変性症、1型糖尿病、SARS-CoV2感染症、ARDS(急性呼吸窮迫症候群)

POINT

3つの特徴

これまでの基礎研究、臨床研究、スクリーニングにより、MSCのパラクラインはMSC移植に相当する作用があることがわかっていましたが、その中でも、mRNAは作用の中核となっていることが解明されつつあります。
アジェンズが単離したmRNAは、いくつかの特徴が見いだされつつあります。

01高い安全性

未分化のMSCは元々免疫も未熟であり免疫寛容しやすいことがわかっていましたが、MSCの中でも胎児期組織由来MSCは成人に比べて特に免疫未熟であり免疫寛容します。また、mRNAなどの低分子パラクラインは分子量が小さく胎盤を通じて母体と交換されますが、母体を攻撃すると母子ともに生命の維持が出来なくなるためより一層の免疫寛容が必用で、そのためのメカニズムを持っていることがわかっています。アレルゲンとなる材料の排除を行ったmRNA主体の製剤は、3000例を超える臨床研究でもショックなどの重篤な問題を起こさないことがここまででわかっています。

02組織修復

元々、成長力・修復力・恒常性維持の高い組織由来であることから、老化関連疾患・症状のスクリーニングを中心に実施してきましたが、単離されたmRNAは微小用量でも十分な修復作用があることが見いだされました。

03低コスト

アジェンズ独自の大量培養法による製造効率は、mRNAを極めて低コストで量産できることを示しています。今後、スケールアップに比例して極め低コストで気兼ねなく使用きるコストパフォーマンスが設計されており、現状年間治療費数百万円以上の細胞製剤の数百分の一までのコスト圧縮が可能で、あらゆる方の治療に使用できる未来が見いだされています。

RESEARCH

産官学連携による研究内容

アジェンズでは主に「自動培養システム」「mRNA核酸製剤」の2つの研究開発を実施してきました。

RESEARCH01

自動培養システム

細胞の培養における安全・衛生・品質管理の最大の問題点は、培養操作者であるヒトからの汚染です。また、適切な培養管理のタイミングは細胞側に依存しており、ヒトの働く時間には関係がありません。
そのため、アジェンズでは、国立名古屋大学医学部泌尿器科山本教授、国立インドネシア大学医学部再生医療センターイスマイル教授チーム、国営製薬会社キミアファルマ幹細胞チームとの国際再生医療研究開発プロジェクトを通じて、ロボットを使用した無菌環境での安定的連続培養・製造システムや培地の研究・設計開発を行いました。最も小規模なラボスケールにおいても、年間1万人以上分の製造も可能ですが、量産スケールへのスケールアップも容易であり、年間数百万人規模の製造を低コストで実現可能です。

RESEARCH02

mRNA核酸製剤

独自の培養法と分画法により、得られたmRNAの製剤化の為の創薬研究を実施しています。
主なターゲットは老化関連疾患で、現在泌尿器(生殖器)、肝臓、腎臓、糖尿病、循環器の分野でスクリーニングが継続されています。

PLAN

中長期の事業プランについて

今後の間葉系幹細胞エクソソームの中長期の事業プランについてご紹介いたします。迅速かつ重点的に取り組んで参ります。

PLAN01

mRNA機能特定の上新薬パイプラインの形成

アジェンズでは現在、幹細胞由来バイオ核酸製剤の創薬シーズとして、研究が進行しています。今後、mRNA機能特定の上新薬パイプラインの形成を計画しています。